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  • 執筆者の写真桑原

オンラインでワークショップをデザインするときに考えるべき4つのポイント

「オンラインツール=ZOOM」の一強時代の変化

オンラインミーティングのツールとしては「ZOOM」が盛んに用いられています。


通信が軽くて参加者へはURL招待で済むという手軽さが受けて、先月くらいの「オンライン」とはほぼ「ZOOM」と同義語のように感じていました。

オンライン飲み会などのカジュアルな場では、お互いの顔をPC画面上にパネル状に配置してコミュニケーションできる事が受けています。

10-30名位のワークショップでは、資料の共有やホワイトボードを使った説明などのプレゼン機能や「ブレイクアウトセッション」と称するバーチャルな「小部屋少人数」でのやり取りができる事が人気の様です。

最近になって、セキュリティーに関しての問題がクローズアップされて、アメリカや台湾では教育業界での使用が禁止されるところも出てきましたが、ZOOM社はそのセキュリティー対策を急ぐという声明を出しております。 (2020年4月12日現在の情報)

ZOOMのセキュリティー絡みで、ZOOM以外のオンラインツールも増えてきました。

Google HangoutやSkype meeting、Microsoft TeamsやWebex Meeting。最近ではRemoやBluejeansというツールも注目株の様です。

*この辺りの内容は、もっと詳しい方が説明されていますから、そちらをご参考ください。

もちろんそれぞれの機能や操作性に一長一短はあるわけで、私は「どういうシーンで使うのか?」を想定して選定するべきだと考えています。

また、新しいオンラインツールを試すためにアカウント登録しようすると、まだ英語の説明しかなかったりするのはざらですから、これからの時代は多少読めるくらいの英語能力は必要だと思います。

企業や教育機関などのセキュリティー環境では

さて、先ほどの「どういうシーンで使うのか?」を考えてみましょう。企業向けの研修やワークショップを生業にしている私の場合、クライアント先の会社のネットワークに入ることがあります。そうなると一番重要になるのは「セキュリティー」です。

企業には様々な機密情報が存在しますから、その情報管理が最優先されます。セキュリティー的に問題がある(と報告された)システムは利用したくないのが本音でしょう。

逆に言えば、今はやりのオンライン飲み会くらいの雑談であれば、あまり気にすることはないのではないかと思います。もちろん、そのZOOMのURLをSNSで公開しないなどの自己管理は最低限必要ですが…。

このように、クライアント先ごとに使用するオンライン環境が変わることが想定される中、私もいくつかのツールを試してみましたが、ワークショップを開催するために必要な機能はほぼそろっていると感じました。

そしてオンラインで実施する内容や進め方についてあれこれ考える方が、ツールについて悩むより生産的だと思いました。

コンテンツ作成(デザイン)のポイントを整理しましたので参考にしてください。

1. ワークショップのテーマ(目的)を明確にする。

2. 参加者の属性を明確にする。

3. 目的を達成するためのフローを設計する。

  例えば、講師の説明時間と参加者のワーク時間の配分やペースなど。

4. ブレイクアウトセッションなどのミニワークを取り入れるかの判断。

  取り入れる場合のセッションの設計。


ワークショップデザインのための4つのポイント

一つ目の「ワークショップのテーマを明確にする」ことがとても大事です。

「なぜワークショップなのか?」「そこで何を伝えるのか?」「ゴールは何か?」などを考えて決める事です。

二つ目の「参加者の属性」は、ワークショップの目的とも関係します。「一般向けの公開で募集するのか?」、それとも「ある程度の知識や専門を持った人向けなのか?」では、テーマは同じでもその進め方が変わってきます。

三つ目はまさにワークショップの設計です。

オンサイト(クライアント先)でのワークショップについては、20年近くの経験値から大体の構成は持っています。

しかし、オンラインでは参加者の反応を肌で感じることが難しいです。「その情報不足にどう対応するか?」が、ワークショップ設計のポイントになると考えています。

情報が入ってこないのであれば、こちらから取りに行くしかありません。

オンサイトワークショップでは講師がしゃべりながらも参加者の反応を講師の目で伺う事が可能ですが、オンサイトではあまりそれを期待できない。そもそもWebカメラをONにしない参加者もいますし、会議室でのワークショップではWebカメラから外れてしまう参加者もいますから。

そうなると、オンサイトのように1時間も2時間も説明するのはとてもリスクが高い。

もちろん高い集中力を示す参加者もいると思いますが、そうではない参加者が半数はいると想定すべきです。

講義内容は当然として、講義時間とワークやディスカッションの時間配分も、オンサイトよりも慎重にきちんと設計しなければいけません。

これには正解は無いし、絶えず変化していくモノだと思いますが、一つだけ確実に言えることがあります。

パワポのスライドショーなどで講義資料を共有化する時間が長すぎるのは良くない。

講義資料と共に講師の顔や動作が確認できる環境であればいいのですが、多くのオンラインワークショップ画面ではそうできない事が多いです。

そうすると多分、聞いている方の集中力を保つのが難しい。

資料共有による講義の時間を最低限にし、講師の顔や表情が見える時間も意識的に作ってあげることが、オンライン環境での情報交換不足を補う一つの方法だと思います。

ブレイクアウトセッションを安易に使うと失敗する

四つ目の「ブレイクアウトセッションをやるかどうかの判断」もワークショップデザインでは大切な部分でしょう。

ZOOMが活発に用いられるようになった理由の一つがこの「ブレイクアウトセッション」です。大人数向けの講義と少人数「小部屋」でのワークやディスカッションの切り替えができる事はとても魅力的ですが、それを安易に用いることによる弊害も感じています。

もちろんワークショップの目的や参加者にもよると思いますが、いきなりブレイクアウトルームに分けられて戸惑う事がたまにあります。

「では、これまで説明してきたことをもとに、〇〇のについて話し合ってみましょう!」という講師の説明と共に、ブレイクアウトルームに分けられたは良いが、そこで「具体的に」「何を話す」のかわからない。

なんとなくお互いの自己紹介や近況を雑然と話す間にワーク時間終了の合図と共にメインルームに戻る。

確かに少人数で話をすることで参加した感じはするが、そもそもそれが目的だったのだろうか?というモヤモヤっとした感じが残ったりした経験はありませんか?

もちろんそういう「モヤモヤの中で感じる事」を目的としたワークであれば良いのですが、本当はもっと違う目的があったというのであれば、ブレイクアウトセッションをきちんと設計していなかった事が目的未達の原因だと思います。

ブレイクアウトセッションを成功させるためには、ワークショップをサポートしてくれる「共同ホスト」を設置する事も一つの手段です。

メインの講師はブレイクアウトルームの内容を全体的に把握できないという仕様になっています(ZOOMの場合)から、それを知るためには各ルームに入る必要があります。

それを補うための役割としてサポート者(共同ホスト)の存在を含めて設計する事が、オンラインワークショップでは大事だと思います。

これまで100名でも200名でも、ワークショップは一人で切り盛りしてきたという経験(思い上がり?) がありますが、オンラインワークショップではそれは不可能だと思い知りました。

ワークショップは参加者の成長へ向けたものであるべきです。

であれば、「私たち講師はそのために何をするか?」を第一に考えたワークショップデザインが望まれているのだと思います。

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