結果よりもプロセスを大事にすることが本当の学びにつながる。
先日、国立病院機構鹿児島医療センター様で講演をしてきました。
テーマは「QC活動の基本」

QC活動とは、自分たちの職場の改善を通じて、お客さんへのサービス向上を目指した取り組みをさすもので、1960年代から日本の製造業で始まり、その後の日本経済の躍進へ向けて大きな成果を上げたものです。
QCサークルは、私も大学を卒業して最初の職場でやりました。
間接部門のQCサークルは難しかった記憶があります。
さて、QCストーリーに欠かせないのがQC7つ道具ですね。
統計的な手法を活用してデータを分析し、数字だけではわかりにくいものをグラフに表現することで直感的にもわかりやすくする。
特性要因図(フィッシュボーンチャート)で要因を洗い出したり、パレート図で重点化要因を見つけ出したり。
ヒストグラムでデータのばらつきを見たり、管理図で時系列の動きを見たり。
間接部門では言語データが大切ですから、その場合は新QC7つ道具を使います。
連関図で原因と結果の関係をつないだり、親和図でデータのグルーピングをしたり。
PDPC(Process Diction Program Chart)やアローダイヤグラム(PERT図)で実施計画を精緻化したりしますね。
ここ最近、QC活動(小集団活動と言った方が良いかも)は、サービス業や医療業界で積極的に実施されているようです。
QC活動が、自主的な現場改善の取り組みから、組織方針の実現へ向けての顧客満足の実現へ軸足を移しつつある事が、従来の製造業だけに捉われない「QC」活動の普及につながっているのではないかと感じます。
「品質は顧客が受け取るものである。」と考えれば、QC活動としての品質が俄然深みを持つように思います。
QC活動では、結果よりもプロセスを大事にするという文化があります。
もちろん、目標を設定してその実現に向かって取り組んでいくのですが、本来のQC活動とは意識していなかった事(暗黙知)を意識して行う事(形式知)に変換することで、組織能力の向上と伝承を実現しようというものだと思うのです。
そして、意識して行う事を習慣化すれば上位の暗黙知に変換される。
野中幾次郎先生のSECIモデルや古くはギリシャの弁証法に通じるのではないかと思います。
そんなことを、今回の鹿児島医療センターの講演ではお話しをさせていただきました。
参加者は約80名。
病院内のすべてのセクションから参加されたという事でした。

そして、とても熱心に聞いてもらえました。
ありがとうございます!
非営利組織における品質とは何か?
その品質を向上するためにどうしたらいいのか?

鹿児島医療センターとして、これからそれぞれの組織が患者様の満足に向き合っていくというプロセスを通じて、いろいろな事を学びながら成長していく事を願っております。
創知堂は、これからも組織能力向上へ向けた様々な支援をさせていただきます。