創造的な問題解決の方法論(Methodology)についての一考察
このところTRIZを含めた創造的な問題解決の方法論(Methodology)について考えています。
きっかけは、あまりにも「うまい使い方」という観点での思考に凝り固まっているような気がして…。
では「本質的な」、というか「アルトシュラーはどう考えていたんだろう?」ということで、いろいろな文献を読み漁っていると、さもありなんというフレーズが出てきました。
問題を解決するために、汎用的であるためには技法(ツール)は一般的でなくてはならない。 しかし、汎用ツールは汎用的な解決策しかもたらさないアイデアは一般的すぎて実践において(あまり)役に立たない。 だから、具体的で個別な問題に有効な専用の技法を開発する必要がある。 しかしその技法は(たぶん)汎用的ではありえない。
・・・
汎用的な技法でなければ使われないが、汎用的ゆえにもたらされる解決策も凡庸になる。 凡庸ではない(優れた)解決策を得たければそれ専用(独自)の技法が必要だが、それは使われることはない。
という意味でしょうか。
・・・
まぁ、矛盾ですね(汗)。
でもそれは良い得ているように、私はかんじました。
実際に色々な企業の問題解決の支援をしてきた経験から、
「コンサルティングに必要なものは汎用性と独自性を両立させたものだ。」 と思います。
TRIZでは、矛盾を克服するために、分離の原則と言う問題解決の指針があります。
その問題を空間で分離する。 その問題を時間で分離する。
具体的に言うと、「汎用的である場所はどこでしょう?また個別(独自)であるべきところはどこでしょう?」
また、「汎用的である時っていつでしょう?逆に個別(独自)である時っていつでしょう?」という問いかけですね。
そしてもう一つ。 その問題をシステムと構成要素で分離する。
問題解決においては、この考え方がぴったり来ます。
大きな問題解決フローは汎用的に構成して、それぞれのステップに独自性を持たせる。
企業が抱える問題はそれぞれユニークなものではあるが、本質的には似ていると感じます。
TRIZが世界中の製造業で活用されるのは、その本質的に似ているモノを理論として構築し汎用化しているからです。
そして、そこに私がこれまでコンサルとしてやってこれた理由もあると思います。
個別の問題を汎用化する技術と、個別の問題の独自性を尊重する姿勢。
問題の独自性を担保しながら、解決へ向けたプロセスは汎用的に進める。
自分が学んだことを仕事で活用するためには、そんなことを意識すると良いのではないかと思いました。
