問題を解決するときに「最小問題」で考えてみる事も必要。TRIZという発想法の応用例
TRIZとは250万件の特許を分析して得られた問題解決の理論です。
特許ですから当然その起源は「技術的な問題」の解決です。
技術的な問題解決が、実は私たちの生活の問題解決に深くかかわっていることは、また機会を見て書くとして、今回は少し抽象的な話をしたいと思います。
今の日本は人口減少とともに人口の集中という問題により地方が疲弊しているという話を聞きますし、私が住んでいる町でもそのようなことに対策を講じていこうとしている方々がたくさんいます。
「地域おこし」をするときには「経済(お金)を回す」ために「人を集める」ことが求められます。
人を集めるためには「面白そうなこと」「興味を持たれること」を作るのが早いでしょうね。
その為に「屋台村を作ろう!」とか「外国の人に来てもらえる○○を作ろう!」という新規投資型の発想が多く出ます。
もちろんその方向は間違ってはいないと思いますが、極端に言うと「無いものねだり」とも感じたりします。
ある人から聞いたのは「あるもの探しによる地域おこし」が参加者が疲弊しないポイントだと。
つまり「ゼロから1を作るのではなく、1を1.1にする。」という発想。
TRIZには「最小問題」という考え方があります。
システム(ここでは困っていることを起こしている何かだと思ってください)が抱えている問題を「なんでもいいから解決する方法」を考えるのではなく、「今ある部品や環境を使って解決する方法」を考えようというものです。
つまり「最小のシステム変更で問題を解決しよう!」という言い方もできますね。
地域を知らない人の「突飛な意見」を聞くのも大切でしょう。
しかしその地域を深く知っている人が「あきらめていたモノ」を発見してそこに突破口を見出すことも面白い発想につながるのではないかと感じます。
「最大の変更で問題を解決する」よりも「地域の問題は地域の(今の)リソースで解決する」という発想、それがTRIZという特許から生まれた発想法にあります。
人間が考える事は、技術的であろうが生活問題であろうが地域的な問題であろうが、その解決の方向性は似ているという事ですね。