身の回りの何かが「お手軽なモノ」に変化していく:代替原理(TRIZの発明原理26番)
TRIZとは「世界中の250万件の特許」を分析して得られた「人間の思考のパターン」や「方向性」を整理した理論です。
そのTRIZの中で多分最も知られている「発明原理」とは、優れた特許で解決されていた「方向性」を40種類に分類したものです。
これまで「災い転じて福となすの原理」や「逆発想原理」をとりあげてきました。
今日は「代替原理」についてお話ししましょう!
「代替原理」は英語では「Copy」です。
その説明は
・利用しにくく、高価で壊れやすい物体の代わりに、単純で安価なコピーを使用する。
・物体またはプロセスを、光学的にコピーしたものと置き換える。
・可視光学的コピーが既に使用されている場合は、赤外線または紫外線コピーを使用する。
とあります。 (*出典:IHS Goldfire)
つまり、「そのままの状態ではコストがかかって使いにくい」といったものは、「その必要な機能に絞った代替(コピー)品で置き換えてあげる」と良いのではないか? という方向性を示しています。
例えば、
・モデルハウスを建てるのは大変だから1/100サイズの模型を作ろう
・モデルハウスを建てるのは大変だから「バーチャルリアリティー(VR)」で再現しよう
・神社に毎日参拝するのは大変だから「家に神棚」を作ってそこで参拝しよう
・商談をするために出張するのはお金も時間もかかるから「TV会議」ではどう?
・手紙の代わりにメールとかメッセージソフト(Lineとか)でやり取りしよう!
・実際にお医者さんに診てもらうのは大変だからICTを利用した遠隔診断を導入しよう
こうやって改めて回りを見回してみると、世の中が便利で「お手軽」になるために「代替(Copy)する」という考え方はとても役に立つといえませんか?
もちろん、代替品を作るためには様々な技術の進化が不可欠なのは言うまでもありませんし、技術進化があるからこそ「代替する」という考え方が生きてくるのだと思います。
逆に考えると、今抱えている問題を「代替品」で「お手軽」に置き換えるために必要な技術やシステムは何か?と考えていくきっかけもここにはあるのかもしれませんね。