【解説】TRIZという発想法:逆発想原理
TRIZでよくつかわれる手法「40の発明原理」について解説するシリーズの2回目です。
問題は「あちらが立てばこちらが立たず」という矛盾があるから解決が難しい。
しかし特許を分析した結果、そういう矛盾を解決するために考えるべき40種類のヒント集を発明原理(Principles)といいます。
今回は、その中の13番目「逆発想」原理について解説しましょう。
「逆発想原理」は英語で「Reverse」です。逆転するとか、反転するという意味でも良く使われますね。
「問題をおこしているシステムを、逆の状態にしてみたらどうですか?」という問いかけだといえます。
問題を起こしているシステムを逆にする。
TRIZでは、
・物体を冷却する代わりに加熱するといったように、逆にする。
・可動部分や外部環境を固定したり、固定部分を可動にしたりする。
・物体やプロセスを「逆さま」にする。
という解説がされています。
例えば、食品を保存するために「冷蔵庫で冷やす」代わりに「加熱して水分を抜く」。
「自分が先方に出向く」のではなく「先方にこちらに来てもらう」。
システムを「これまでとは反対の状態にしてみる」のが、この発明原理のユニークなところです。つまり、「これは、こうあるべきだ」という先入観を破るために役立ちそうな気にさせます。
例えば、
・その仕組みの初心者に問題の答えを考えさせてみる。
・仕事を早くやるのではなく遅くやってみたら? 仕事の質が上がる?
・涼しさを感じるために、熱いサウナに入る。
・天井に照明をつけるのではなく、床に照明を置いてみる。
・ハマグリを下から炙るのではなく、上からバーナーで熱してみる。
・自分の発明を特許で独占するのではなく、公開して皆に使ってもらったら?
・工場の仕掛品を減らすのではなく、あえて増やしてみたら?
・掃除機で吸い取るのではなく、風塵機で吹き飛ばす!
今あなたが改善しようとしているシステムを逆の状態にしてみると、これまでと違う効果が得られそうだと思いませんか?
TRIZはあなたが抱えている問題を解決するヒントを与えてくれますよ。