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  • 執筆者の写真桑原

新しいボトル飲料のコンセプト調査とコンジョイント分析

先週土曜日(7月25日)にFBで募集したアンケートには45名の方にご協力いただきました。

ありがとうございます!!

早速、そのデータをもとに分析をしてみましたのでご覧ください。

1.そもそもの動機について

何らかの意思決定するときに、データに基づいてやる方が良いのではないかと考えています。

もちろん最終的には直感で決めるのですが、直感を働かす前に色々なデータをもとにして洞察を加える事は役に立つのではないかと思います。

「データ分析? なんか難しそう…」とか、「数学は嫌い」という意見があるのも重々承知していますが、今の時代はエクセルという心強い味方がいますので、あまり難しく考えずにやってみればよろしいかと。そしてそのあたりの事例として何か良いものが無いかというわけで表題のテーマを思いついたわけです。

2.アンケートの計画について

今回、コンジョイント分析という手法についてアンケートの計画をしました。

コンジョイント分析とは、「商品やサービスの持つ複数の要素について、顧客(ユーザ)はどの点に重きを置いているのか、また顧客に最も好まれるような要素の組み合わせはどれかを統計的に探る」手法です。


最近ネットニュースで「カフェインレス飲料」についての記事があったので、それに触発されて「ボトル飲料」についてのアンケートを考えました。


取り上げた因子と水準です。

直交表はL.9を使いました。



全部で9つのコンセプトに対して「1:購入したくない」から「5:購入した」までの5段階で評価してもらいました。

3.アンケート集計結果の概要

今回アンケートには45名の方のご回答をいただきました。

性別と年代構成です。



9つのコンセプトに対してのご回答を2つほど。



当初想定していたより、うまくピークが出ていたのはうれしかったです。

4.コンジョイント分析の結果について

コンジョイント分析の強みは、「テイスト」や「カフェインの有無」についてそれぞれ質問をするのではなく、それらを配合したコンセプト(商品イメージ)で尋ねる事ができる点です。

配合されたコンセプトの評価を集める事で、それらを構成する因子の効果を統計的に分析できる点がこの手法の強みです。

アンケート結果をもとに、今回取り上げた「テイスト」「カフェインの有無」「甘さ」「口当たり」が、消費者の購入意欲に与える影響度について分析してみた結果です。


甘さの影響が49%、続いてテイストが19%と続き、カフェインの影響は1.1%とかなり小さいことがわかりました。

今回は男女の割合が約半々だったので、その影響があるかどうかも調べてみると、その大きな傾向には差は有りませんが、男性の方が糖質の影響が大きいのに対して、女性は紅茶テイストの影響が大きいという結果が得られました。

また、4つの因子の傾向についてその効果も調べてみました。


甘さ(糖質)は圧倒的に「無糖」、テイスト的には「紅茶風味」が好まれるという結果になりました。

この辺りも男女間の差が無いか調べてみると、飲み心地は男性は「ごくごく飲めるスッキリ」が好まれるのに対して女性は「香りもしっかりとした風味」が好まれるようです。

5.考察など

結果について考察してみました。

・全体データで見ると、テイスト(種類)と甘さ(加糖の有無)を重視してボトルドリンクを選んでおり、カフェインの有無や口当たりについては思ったより重視していないようである。

・男性は「ごくごく飲める」ような軽い口当たりが、女性はそれに対して「香りもよくしっかりした味わい」の方を好む傾向が見られた。

・女性は男性より「紅茶」好むようであり、男性は「テイスト」と同じくらいに「口当たり(飲み心地)」を重視する傾向がある。

・お茶よりもストレート(無糖)の紅茶が好まれ、ごくごくと飲めるさっぱり飲料が好まれている様である。

・女性をターゲットにする場合は、紅茶の風味をしっかりと効かせた方が良いと想定される。

・カフェインについては、その有無が消費者にわかりにくい(即効的な効果がわからない)ので、訴求するための一工夫が必要であろう。

ちなみに、今回の結果をもとにして、最適コンセプトではどのくらいの得点が得られるかを計算してみましたところ、「カフェイン入りで、無糖、ごくごく飲める紅茶飲料」で「4.1点」つまり「購入してみたい」という結果になりました。

なかなか面白くて興味深い結果が得られました。

今回のデータは、弊社のセミナーやワークショップに活用させていただきます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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