今、あなたの周りに存在するリソースを活用することを考える。
2月の熊本城マラソン2020に向けて、一応毎週末のロングランは死守できています。
今日は菊陽町にある「鼻ぐり井手」経由の20km。

ここは加藤清正公が治水工事(設計)したという面白いところです。
加藤清正が肥後国主として熊本北部を拝領したあと、自国の米の殖産のために下流の託麻、益城、合志の3郡の田に水を引くために、立野に取水口をつくったそうです。
大津町では上井手として大地を潤しましたが、菊陽町に入った所(馬場楠)では阿蘇の火山灰が堆積してしまう事があったという事です。
そのため、火山灰を流すために作ったのがこの大きな堰です。
阿蘇の火山灰が沈殿するので、付近の住民の方々はそれをさらえていた(除去していた)のですがそれがなかなか大変です。
加藤清正は、その問題を解決するために「水の渦の作用(力)」を利用するという方法を思いつきました。
それは、川底に仕切岩盤を残し、水の通る下辺にはいくつかの穴を左右交互にくり抜き、一つの穴から出た水は必ず壁につきあたり渦巻くようにしたのです。
その結果、流れてくる火山灰は水流によって舞い上がり、底に堆積することなく下流に流れる仕組みになっているのです。

これは、私の専門のTRIZで言えば「SFRの活用」です。
SFRとはSubstance Field Resourceの略です。
つまり、問題を起こしているものの周りに存在している「何か」を活用できないか?と考える事です。
この鼻ぐり井手では、「水が持っているエネルギーを積極的に活用すれば、余計なもの(たとえばブラシや水車など)をわざわざ作らなくても良いのでは」という考え方なのです。
TRIZは、実はこういう地味だけど合理的なアイデアを探すことをおすすめしています。