• 桑原

コロナ禍での整体店についてTRIZで考えてみました。



コロナウイルスの拡散防止のためには3密(密閉、密集、密接)を避ける事が求められています。

しかし世の中の仕事には、それを基本として回してきたものもたくさんあります。

コンサートなどはその典型だと思います。

密閉された空間に多くの聴衆を入れて、密接しながら一体感を生み出す。

ファンの心理としてもそれは至極当然の事だと思います。

この問題の対策の一つは「オンライン配信」ですね。

一体感を得られるかどうかについて微妙なところは有りますが、ファンであればそのミュージシャンを見られるという事が最優先されると思いますので、いろいろと配信動画について工夫をすればビジネスとして成り立ちそうです。

しかもオンラインだから、会場のキャパシティという制約条件が外れます。

*通信環境の安定性という別の問題は発生しますが…(汗)

私もオンラインでの仕事で椅子に座る時間が長くなり、腰の痛さが辛くなってきました。

「整体に行ってマッサージしてほしいけど、コロナの影響も心配だな…」と思ったことから、それをTRIZ的に考えてみました。


1.解決したい問題と懸案

腰の痛みを緩和するために整体でマッサージしてほしいが、コロナの影響があるので3密状態は避けたい。

2.矛盾をつくる

矛盾1:腰の痛みを緩和するマッサージを受けるために整体に行くと、コロナウイルスが身体に付着するかもしれないという問題がある。

矛盾2:コロナウイルスを付着させないために、整体に行かなければマッサージを受けられずに腰の痛みが続く。

3.解決すべき矛盾を決める

今回は、マッサージを受けるために整体行きたいので、矛盾1を取り上げます。


その時のモデルは以下のようになります。



4.矛盾の一般化

TRIZを使う時には、自分の問題を一般的な表現に言い換える必要があります。

その時に使うのが39の特性パラメータです。 つまり自分が抱えている矛盾を39種類のパラメータ表現の中で当てはまるものを見つける作業です。

今回は、「腰の痛みを緩和するマッサージを受けるために整体に行くと、コロナウイルスが身体に付着するかもしれないという問題がある。」という矛盾ですから、次の様に考えました。

「整体でマッサージを受ける」ときには、整体師さんに服の上から筋肉の凝りをもみほぐしてもらいます。つまり「整体師の力」が必要なので「力(強さ)」に置き換えます。

また、マッサージをするためには、服の上から接触する必要がありますので、「移動物体の長さ(距離)」も使えそうです。

一方、「コロナウイルスが身体に付着するかもしれない」という問題は、「物体(整体師)が発する有害作用」「物体(患者=私)が受ける有害作用」が素直に当てはまりそうです。

「発する」とは整体師側の視点で、「受ける」はマッサージを受ける側の視点と考える事ができますが、実際のアイデア創出場面では両方の視点で実施していきましょう。

この矛盾の一般化は、問題構造のとらえ方によっていろいろな言い換えが可能です。

できるだけ問題を的確にとらえて具体的なパラメータに言い換える事で、具体的なアイデアにつながりやすくなります。

5.アイデア発想につながるヒント=発明原理の選定

矛盾の一般化ができれば、矛盾解決マトリックスを使って、その矛盾を克服するヒントになりそうな発明原理を見つけます。

矛盾解決マトリックスとは、250万件の特許を分析して得られた先人たちの知恵ですから、これを使う事でアイデア発想の方向性が容易に得られます。

*矛盾解決マトリックスから得られた発明原理選定の図

6.発明原理の解説とアイデアの例

それぞれの発明原理についての説明と、そこから思いついたいくつかのアイデアを書いてみました。

アイデア創出の視点は「マッサージ効果を高める」「触らずにマッサージできる」「ウイルスの身体付着を防止できる」の3つです。発明原理を適用するのは、整体を受けている部屋に存在しているモノ(入口のドア、カーテン、ベッド、アンケート記入用のペンなど)すべてです。

・「他次元移行原理」は1次元なら2次元に、2次元なら3次元にする。五感の活用や別の付加価値をつけるという考え方です。

 アイデア例:アロマテラピーや呼吸法などを付け加える。

・「ダイナミック性原理」は、可撓性や柔軟性で、動的な対応力を高めようという考え方です。

 アイデア例:自己ストレッチ。柔軟体操。マッサージ中でも常に身体の表面をブラッシングする。

・「逆発想原理」は、いろいろな要素やプロセスを逆さにしてみたらという事です。

 アイデア例:整体師を自宅に呼ぶ。整体の技術を学び、自分でマッサージする。マッサージ前後で服を着替える。

・「局所性質原理」は、一部分の性質や特性を変えてみる、集中させてみるとどうかという提案です。

 アイデア例:完全プライベート型のマッサージ室にする。自分専属の整体師。痛い所だけを集中して短時間でマッサージする。入口にエアカーテンを設置する。

・「相変化原理」は、冷やすことや温める事で生じる付帯現象を利用して問題解決できないかという事です。

 アイデア例:温熱シップや冷シップを貼る。マッサージベッドの周りに空気の流れを作るためにファンをつける。

・「仲介原理」は、システムの中に中間物や中間プロセスを入れた工夫をするという事です。

 アイデア例:マッサージ器を使う。指圧ボールを使う。柔らかく弾性力のあるモノ。鍼。お灸。消しゴム。

これらの発明原理を組み合わせてアイデアを発想することもできます。

実際に優れたアイデアや特許を分析すると、複数の発明原理を組み合わせた発想をしている場合が多いです。

その時には、今回選ばれなかった発明原理を眺めながら考えると更に良いアイデアが生まれるかもしれませんね。

7.まとめ

TRIZは自分が抱えている問題における矛盾を作って、そこからアイデアを考えていきます。

矛盾があるからどうしようもないのではなく、矛盾が明確になれば過去に発明されたモノをヒントにして自分の問題解決へ向けたアイデアを出そうとするものです。

残念ながら現時点では、新型コロナに対しての対応は3密を避けてソーシャルディスタンスを確保するという手段しかありませんが、そこに「他次元移行原理」や「局所性質原理」などの視点を持ち込む事で、「漠然と距離を確保する」から「距離を確保するための具体的な方法」をイメージしやすくなりませんか?

なお、今回の事例はTRIZで矛盾を克服するためのプロセスを説明するためのモノです。

アイデアの実際の効果を保証するものではありませんのでご了承ください。

創知堂はTRIZで社会問題解決を進めていきたいと考えています。

是非ご気軽に問い合わせください!

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